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肩にはどういう筋肉があるか ③菱形筋

肩にはどういう筋肉があるのか、起始と停止はどこか、どのようなはたらきをするかを説明します。

 

肩こりのときに、伸びすぎたり縮みすぎたりする筋肉は次の5つです。

 

僧帽筋(そうぼうきん)

肩甲挙筋(けんこうきょきん)

菱形筋(りょうけいきん)

棘上筋(きょくじょうきん)

肩甲舌骨筋(けんこうぜっこつきん)

 

今回は、菱形筋を取り上げます。

菱形筋

菱形筋には、大菱形筋と小菱形筋があります。作用は似ているので、まとめて紹介します。

下部頚椎棘突起から始まるのが小菱形筋。

上部胸椎棘突起から始まるのが大菱形筋。

●起始と停止

起始と停止は説明図で確認していただくほうがわかりやすいと思います。

小菱形筋の起始と停止

起始(筋肉が始まるところ):第6~第7の頚椎の棘突起

停止(筋肉が停まるところ):肩甲骨の内側縁(肩甲棘より上)

 

大菱形筋の起始と停止

起始(筋肉が始まるところ):第1~第4の胸椎の棘突起

停止(筋肉が停まるところ):肩甲骨の内側縁(肩甲棘より下)

 

●作用(はたらき)

肩甲骨の体部を上後方に引き上げ、肩甲骨を下方回旋させます。

また、頚椎下部・胸椎上部を肩の方に側屈(そっくつ:横に曲げる)、屈曲(くっきょく:前に曲げる)、前方回旋(ぜんぽうかいせん:前にねじる)させるはたらきもあります。

●コントラクト(縮め方)

肩甲骨の体部を上げ、後ろ内側に引きます。(上腕を伸展・内転させると肩甲骨の動きを助けることができます。)

頚椎を、肩の方へ側屈、屈曲、前方回旋させます。

 

●ストレッチ(伸ばし方)

肩甲骨の体部を下げ、前方外側に押し、上方回旋させます。(上腕を屈曲・内転させると肩甲骨の動きを助けることができます。)

頚椎を、肩の反対へ側屈、伸展、後方回旋させます。

 

引き続き、肩にある筋肉、棘上筋について説明します。(こちらをクリック)