肩の筋肉を説明するためには、肩の骨がどうなっているのか、説明することが必要です。
(体の知識がある方は、このページをとばしてください)。
まず、肩の土台になるのが、体幹(たいかん)です。
体は大きく分けると、体幹と四肢(しし)に分けられます。
体幹というのは、体幹トレーニングという言葉を聞かれたことがあるかもしれませんが、体の幹になるところです。
体幹はまず、仙骨が骨盤の背面の真ん中にあって、その上に腰椎(ようつい)がのっています。仙骨の下には、尾骨(びこつ)がついています(図では隠れています)。
腰椎の上に胸郭(きょうかく)、胸郭の上に頚椎(けいつい)、そして頭部がのっています。
胸郭は、胸椎(きょうつい)と肋骨(ろっこつ)、胸骨(きょうこつ)で形作られています。
(図では第3胸椎から第10胸椎が、胸骨の影になって隠れています)。
四肢は、上肢(じょうし)と下肢(かし)に分けられます。
体幹と上肢をつないでいるところが肩になります。
肩にある上肢の骨は、鎖骨(さこつ)、肩甲骨、上腕骨です。
まず、上肢はこの胸骨の上の部分の胸鎖関節(きょうさかんせつ)から始まります。
鎖骨が胸鎖関節で胸骨につながっています。
鎖骨の反対の端は、肩鎖関節(けんさかんせつ)で、肩甲骨とつながっています。
肩甲骨の外側と上腕骨が、肩甲上腕関節でつながります。
この肩甲上腕関節が、狭い意味での肩関節と言われています。
しかし、腕を動かすときには、鎖骨・肩甲骨・上腕骨が一体となって動いています。
ですから、肩甲上腕関節だけでなく、肩鎖関節、胸鎖関節を合わせたものを、広い意味での肩関節と呼びます。
さらに肩甲骨と肋骨がスライド運動するところを肩甲胸郭関節と呼んで肩に加えたり、胸郭や頚椎を肩の一部としたりする考えもあります。
肩とはどこなのか、さまざまなとらえ方がありますが、ここで重要なことはそれを明らかにすることではありません。
ここでは、肩にある骨(鎖骨・肩甲骨・上腕骨)と、肩の土台になる体幹の骨(仙骨・腰椎・胸椎・肋骨・胸骨・頚椎・頭部)を憶えてください。
それでは肩の骨がどのような動きをするのかを説明します。次へ進んでください。(ここをクリック)