筋繊維が縮みすぎると、筋膜は横に伸びすぎ、筋繊維が伸びすぎると、筋膜は縦に伸びすぎることを説明しました。
筋膜が伸びすぎるのは、ほとんどがこれらのどちらかです。
しかし、筋膜は、縦横両方に伸びすぎることもあれば、斜めに伸びすぎることもあります。
たとえば、打ち身をしたときには、どのような物があたるか、どの方向に当たるかによって、筋膜の伸び方が変わってきます。
ひどい打ち身のときは、肩こりよりも「打ち身をした」とか「打撲した」と自覚すると思います。
けれども、軽い打ち身なら、何かがぶつかったことを忘れて、なんだか肩がこるなあと感じることがあります。
そして、後から、肩がこるなあと思っていたけれど、そういえば何日か前に肩を打ったなあと思い出すことがあります。
重い荷物をかついだとか、リュックを背負ったとか、じわじわと肩に何かがぶつかった場合も、肩こりとして感じることがあります。
ボールのような丸い形状の物がまっすぐに当たったときには、360度、すべての方向に筋膜は伸びます。
角度をつけて当たったときは、当たった物の進行方向への伸び方が多くなります。
長細いものが当たった、たとえば、柱の角とか、テーブルの縁とかが当たったとします。
筋肉に縦向けに当たれば、筋膜は横に伸びます。
筋肉に横向けに当たれば、筋膜は縦に伸びます。
筋肉に斜めに当たれば、筋膜は斜めに伸びます。(右上がりに斜めに当たれば、右下がり斜めに伸びます)
筋肉が何かの原因で腫れ上がったときも、筋膜は縦にも横にも斜めにも伸びます。
例えば、ばい菌が入ったとか、虫にさされたといったことでも、筋肉が腫れ、筋膜は伸びすぎます。
繰り返し痛み止めのブロック注射をしてもらって、肩の筋肉が腫れあがった患者さんがいらっしゃいましたが、このような場合も肩の筋肉の筋膜は縦にも横にも伸びすぎになってしまいます。
このように、筋肉が腫れあがって筋膜が伸びすぎているときは、とても痛みが強くなる場合があります。
神経は非常に敏感になりますから、まさに「腫れ物に触る」ような状態になり、肩に触れなくなることもあります。
こんなときの肩こりの治し方は、また機会を改めて紹介します。
では、筋肉の伸びすぎ、縮みすぎによる肩こりの話しに戻しますね。
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