肩の筋肉が伸びすぎているのか縮みすぎているのか、関節のねじれがあるのかないのかについてご理解いただくために、まず、筋肉の仕組みを説明させていただきます。
◆筋肉の基本構造
筋肉は、細い筋繊維が集まって束になったものです。
筋繊維の走っている方向を縦とします。その方向と直角に交わる方向を横とします。
筋繊維の束を包んでいるのが筋膜です。
筋膜は、縦にも横にも斜めにも一定程度伸び、そして伸ばされた後は、また元の状態に戻ろうとします。
脳から出た感覚神経の先端は、先端部分が樹状に(木の枝のように)枝分かれして、筋膜に分布します。筋肉に分布する神経は、ほとんど表面の筋膜に分布し、筋膜の内側には少ししか分布しないと言われています。
◆筋繊維が縮むと、筋膜と神経の先端部分はどうなるか
筋肉が収縮するのは、筋繊維が縮むからです。
筋肉が伸びると、筋繊維も伸びます。
筋肉の伸び縮み=筋繊維の伸び縮みとしてよいでしょう。
ところが筋膜は筋繊維とは違う伸び縮みをしています。
筋繊維が収縮すると、筋肉は短くなり、そして太くなります。
筋繊維が収縮して、短く太くなると、筋膜は横に広がります。
筋肉(筋繊維)が縮むと、筋膜は横に伸びるのです。
筋膜はピンとつっぱった状態になり、筋肉は固くなります。
筋膜に分布した神経は、筋膜が横に広がると、樹状に分布した先端部分も横に広がります。
筋膜は、筋繊維を束ねていて、一定以上に筋肉が太くならないように制限するはたらきをします。
この一定範囲内での動きなら、筋膜に分布する神経はほとんど興奮することはありません。
◆筋繊維が縮みすぎたとき、筋膜と神経の先端部分はどうなるか
ところが、強く力を入れすぎたり、力を入れるのを繰り返しすぎたり、力を入れる時間が長すぎたりすると、筋繊維を包んでいた筋膜が横に伸びすぎてしまいます。
筋膜が伸びすぎたところに分布した神経も、先端の枝分かれした部分が引き裂かれるように広がり、神経が興奮して、筋膜の損傷を知らせる信号を脳に送ります。
これが、筋肉が縮みすぎたときに感じられる痛みやこり感なのです。
筋膜が一定の限界を超えて伸びすぎてしまうと、弾力(元にもどる力)がなくなり、伸びっぱなしになってしまいます。
するとその部分では筋繊維が縮みっぱなしになって、肩こりが続くことになります。
筋繊維が縮みすぎたところは、筋膜がピンとつっぱっているだけでなく、筋繊維が重なり合って密度が高くなり、筋肉がガチガチに固くなってしまいます。
◆筋繊維が伸びると、あるいは伸びすぎると、筋膜と神経の先端部分はどうなるか
これについては、次の記事をお読み下さい(こちらをクリック)。
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