肩こりとは何なのかは、医学的な定義はありません。
定義できないと言ったほうがいいかもしれません。
というのは、誰かが「肩がこった」と言っても、みなそれぞれ場所も症状も原因もバラバラだからです。
単なる筋肉疲労の人もいれば、疲れるようなことをしていないのに肩がこる人もいます。
肩が冷えすぎの人もいれば、熱を持っている人もいます。
肩が腫れている人もいれば、筋肉がやせている人もいます。
肩の筋肉が縮みすぎている人もいれば、伸びすぎている人もいます。
じっとしているのが辛い肩こりもあれば、動くのが辛い肩こりもあります。
触ると痛い肩こりと、触っても痛くない肩こりがあります。
肩の筋肉が柔らかいのに肩がこっているという人もいれば、肩の筋肉が固いのに、自分では肩こりを感じないという人もいます。
体のどこかがねじれていることで、肩こりを感じる人もいます。
肩こりと言っても、肩や腕がねじれているとは限りません。
あごや頚、胸、腰、骨盤のねじれからくる肩こりもあります。
中には、脚のねじれが原因の肩こりもあります。
虫歯や副鼻腔炎などが原因の肩こりもあります。
ひどい肩こりの原因を調べたら、首の骨にがんの転移が見つかったという例もあります。
あえて言うなら肩こりは「肩甲骨周辺に感じる不快感」です。
原因や症状、重症度は多様なのが、肩こりの特徴です。
あいまいな定義になってしまいましたが、それ以上踏み込んだ定義をすると、肩こりの定義に当てはまらない肩こりの人をいっぱいつくってしまうことになります。
この記事で訴えたいのは、もっと肩こりの定義を明確にする必要性ではありません。
あなたの肩こりを治すためには、まず、あなたの肩こりがどんな肩こりなのかを明確にする必要があるということなのです。