単なる筋肉疲労による肩こりでもなく、内科的な原因による肩こりでもない肩こりとはどのようなものでしょうか。
内科的でない原因による肩こりを言い換えれば、物理的な原因による肩こりです。
物理的な原因による肩こりには、次のようなものがあります。
◆肩の筋肉の冷えすぎや温まりすぎによる肩こり
寒い日に薄着をしていて肩が冷えたとか、布団から肩が出ていて冷えたとか、雨でぬれて肩が冷えたとか、汗をかいたのに着替えずにいて肩が冷えたとか、そういう経験はだれにでもあるのではないでしょうか。夏場でも、クーラーや扇風機の風が当たっていて肩が冷えるということもあります。
肩が冷えると筋肉が縮み、血流も悪くなって、肩がこります。
冷えきってしまうと、ガチガチに筋肉が固まってしまって、なかなか解消しない肩こりになることもあります。
反対に、暑い日に腕を使う運動をしたとか、直射日光が肩に当たり続けたとか、肩の筋肉が温まりすぎると熱疲労を起こして、肩がこります。肩の筋肉は柔らかいのだけれど、だるくて重くて力が入らない状態になります。
◆肩の筋肉の伸びすぎや縮みすぎによる肩こり
たとえば、リュックサックやショルダーバッグを長時間、肩にかけていると、ひも状のベルトなどで圧迫された部分は筋肉が伸びすぎ、圧迫された部分の内側と外側は縮みすぎになります。
このような場合、筋肉の伸びすぎや縮みすぎによる肩こりが発生します。
他にも、子どもを肩車したとか、みこしをかついだ、肩をたたきすぎた、肩を何かにぶつけたといった場合に、筋肉の伸びすぎや縮みすぎによる肩こりが発生します。
次の「関節のねじれによる肩こり」でも、筋肉の伸びすぎや縮みすぎは発生することが多いですが、上にあげたような例では、関節のねじれがなくても、肩の筋肉が伸びすぎたり縮みすぎたりして肩こりが発生します。
◆関節がねじれていることによる肩こり
何らかの動作をしたり、何らかの姿勢を続けることで、体のどこかの関節がねじれ、それによって発生する肩こりがあります。
肩こりが発生するのは、肩の関節がねじれたときだけではありません。
首や胸(胸郭)、腰のねじれで肩こりが発生することはよくあります。
それらより頻度は少ないですが、あごや骨盤、股関節、肘や膝のねじれから発生する肩こりもあります。
手や足のねじれを元に戻したら肩こりがとれたという例もあります。
ねじれた関節が肩に近いほうが、肩こりの発生頻度は高くなり、「肩の筋肉の伸びすぎや縮みすぎ」を伴うことが増えます。
ねじれた関節が肩から遠ければ、肩こりは発生頻度は低くなり、「肩の筋肉の伸びすぎや縮みすぎ」を伴うことが減ります。
次の記事で、どうやって物理的な原因による肩こりを治していくのかを説明します(こちらをクリックしてください)。